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金継ぎで使う「純金」と「その他の金色の粉」比較

ワタシが金継ぎを始めた頃、蒔くための純金は「1グラム9500円」でした(丸粉5号)。2023年の今、純金は「1グラム17000円」です。 理由は色々ありますが・・・ロシアがウクライナに攻め込んだあたりから、ガン!っと値段が上がりました。
もちろん、値上がりしたのは、金継ぎ用の純金ばかりではありませんが。

マジ 伝統工芸やろうと思ったら、お金がいくらあっても足りない・・・。

とはいえ、金継ぎで蒔く粉は、実はいろいろありまして、ワタシが主に使っているのは純金の他に「錫」「真鍮」「ニセ金(と勝手に呼んでる、釣り具用の塗装)」です。

それぞれ、蒔いたときの仕上がりがどんな感じか、ご紹介します。

■ 錫

錫で金継ぎ

金継ぎを初めて一番初めに手にした代用金。
おそらく大多数の方もそうなのではないでしょうか。蒔いて鯛牙で研ぐと、銀色になります。
ここで注意、銀を蒔くと銀色にはなりません。すぐに酸化して、黒ずんでしまいます。いわゆる「いぶし銀」ですね。 ですので、錫は「発色の良い銀色」にしたいものに蒔くと良いです。銀は銀で、いぶし銀が似合いそうな物を継ぐときに蒔けば良いと思います。
(※食器に使えます)

■ 真鍮

真鍮は英語で言うと「Brass」。そう、ブラスバンドのブラス。ブラスバンドの人達が持ってる、キラッキラのあの楽器の色です。かなりよく光ります。発色も良いです。時間が経っても色がくすみにくいです。優秀。最近ワタシは真鍮ばっかつかってます。値段もお手頃。優秀~!!(※食器に使えます)

真鍮で金継ぎ

■ ニセ金(金色の塗料)

釣具屋さんで売ってる、釣り竿の塗料らしいですね。勝手にニセ呼ばわりして申し訳ないですが、もうワタシの先生がそう呼んでいて、そのお教室ではそれが定着していたので・・・(^^;
発色は良いです。でもちょっと、ベタっとした感じになります。そして、何度も洗っているウチに、ハゲてきます。しかしなによりその手軽さは魅力で、ハゲてきたって何度でも塗り直せば良いのです。何度でも蘇るさ、なのです。
漆みたいに、乾かす時間が必要だったりしないし、他の粉のように蒔くときの準備や手間が大幅削減されます。

うるし塗料(ニセ金)
写真のウェッジウッドのカップは、持ち手がポキッと折れたのですが、口に付けるところでもないし、飲料が触れるところでもないので、チャチャっとこのニセ金で直しています。そしてもう二度塗り直しています。そう、だからこの代用金は・・・口を付けるところ、食品に触れるところには使えません。ニオイもがっつり有機溶剤のニオイがします。

■ 純金

純金で金継ぎ
庭から原油が出たら、全ての金継ぎに純金を使いたいと思います。なんちゃって。
でも、さすが、やはり純金、輝きが違います。
ワタシが金継ぎで使う純金粉は、「丸粉五号」。純金、世界情勢にお値段が左右されまくって、ここ数年は値上がりの一途なので、なかなか安定した精神状態で使うことが出来ません。ただ、本当に輝きが良いので、薄付きでも発色が素晴らしく、たったの1グラムと思われるかもしれませんが、割と使いでがあります。よほどの大物を修繕しているのでなければ、「スグ終わっちゃったよ・・・」としょんぼりすることはないんじゃないかな。
アマゾンで丸粉5号が見当たらなかったので、リンク先は丸粉1号になっています。人によっては、5号(粒子が大きい)の丸粉より、1~3号の粉が使いやすい、と言う方もいます。

写真はアラビアのエスプレッソカップ(&ソーサーのセット)。ふちに欠けがありました。純金でお直し。よく光っていますね!!

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ここで紹介した以外にも、「純銀」「うるし仕上げ」があります。純銀は未だ使ったことがありません。漆仕上げは今度取り組んでみたいと思いますので、仕上がり次第、こちらのページに掲載いたしますね。












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